文部科学省は先ごろ、学校給食の主要目的を従来の「栄養改善」から「食育」に転換する方針を固めました。そうした中、都賀町では、教育委員会、JAしもつけと地元青果商組合の協力を得て文科省委託の「地域に根ざした学校給食推進事業」に取り組んでいます。

 共同調理場方式をとる都賀町では、同町家中の町立学校給食センターで3小学校(合戦場、家中、赤津)と都賀中学校の1230食の給食を作っています。イチゴ、キュウリ、トマト、チンゲンサイやパン、ご飯、乳製品、肉類、その他加工品はJAや地元業者が一括で納入していますが、ネギ、ジャガイモ、ダイコン、ハクサイ、キャベツ、コマツナ、ホウレンソウ、ニンジン、ナスの9つの野菜は、町内のJA農産物直売所会員の5人の生産者が直接、給食センターに納めています。同センターの管理栄養士・中田智子さんは「集荷された作物では生産者が分からなくなってしまう。文字通り顔が見える給食を目指したいです」と話しています。

 この取り組みは文科省の委託を受ける以前から始められており、今年で4年目になります。協力生産者はJAが募り、納品の際の見学会や、説明会を通して共通の理解を深めました。また青果商との役割分担を明確化し天候などに左右され、納品できない場合は町内の4人の青果商組合がサポートする態勢を整えました。納入価格に関しても、年度当初に協議し、これまで年間統一価格、しかも市場の平均価格よりも安価で契約を締結してきました。

 始めた当初「子どもたちの口に入る」ということで生産農家のプレッシャーは大きく、「農薬の使用を控えすぎ病害虫にやられてしまった」などの逸話が残っているそうです。現在では軌道に乗り、給食センターから出される献立予定表に基づき各生産者が品目別に持ち回りで作物を納品しています。JAしもつけ都賀地区営農経済センターの渡辺宏一センター長は「関係団体が事業の意義を理解しあえたからこそ続けられました」と言います。

 また「作る人、食べる人」の交流も忘れていません。町経済課、JAしもつけ、学校、給食センターがタイアップし、生産者の協力を得て児童・生徒は収穫体験授業を行っています。その収穫した野菜を生かした献立で学校は毎年、生産者を招待し交流給食会を開いています。中田さんは「郷土への愛着と感謝の気持ちをはぐくんでもらえればありがたいですね」と願っています。

 [写真説明]家中小で行われた交流給食。青木冨士夫町長らも参加し児童らとともに地元産野菜で作られた給食を味わった