姿かたちが悪い、傷もの、熟しすぎ、糖度不足…。一つでも難点があれば、その作物は店頭に並ぶことなく廃棄されてしまいます。誰もが「もったいない」と思うものですが、JAうつのみやでは昨年度から、それら“すそもの(規格外)”を加工品として再利用できないかと新たな取り組みを始めました。

 JAうつのみやの東部選果場(宇都宮市上籠谷町)では、トマト、ナシ、アスパラガス、玉ネギの選果を行っていますが、規格外となる作物は年間で240トンに登ります。これは同選果場に搬入される総量のわずか1・2%だそうですが、積もり積もれば膨大な量で、業者に渡し廃棄処分するだけでも年間120万円の経費がかかります。

 選果場を視察に訪れる人々からは「どうして廃棄してしまうの」「もったいない」と残念がる声が絶えません。同事業を担当するJAうつのみやの高橋昭博さんは「すそものを加工品として再利用するのは、生産者が丹精して作った作物を無駄にしたくないからです」と語気を強めます。

 現在まで加工品として試作されたものにはトマト、アスパラガスのピューレ(スープやソースの材料)、エキスをはじめとした食品業者向けの加工品と、アスパラガスの繊維を生かしためん類、和紙などがあります。主に県内の加工業者と連携し、味や色などについて試行錯誤を続けているそうです。昨年から栃木県の「新生産流通システムトライアル事業」の補助を受け、取り組みはじめた事業ですが、今年は「トマト酢」の試作など新たな挑戦も始まっています。

 28、29の両日、宇都宮で開かれる「もったいない全国大会」の交流会(28日、午後6時半、会場・宇都宮東武ホテルグランデ)では、同JAの試作加工品が料理の素材として登場する予定です。高橋さんは「実用化には、まだまだ遠い道のりですが、自給率40%など日本の食糧事情の課題を再認識してもらうことにもつながるのではないか」と言います。JAうつのみやでは、この事業を通して農作物を大切に活用し、新たな価値を生みだし、生産者に還元することを目指しています。

 [写真説明]JAうつのみや・東部選果場内のアスパラガス選果場。アスパラガスの場合、食品以外の和紙などへの再利用も検討されている

 [写真説明]試作品のピューレ