ナスも温泉でポッカポカ—。日本三大美肌の湯の1つとして知られる「喜連川温泉」。同温泉のあるさくら市喜連川地区では、全国的にも珍しい温泉熱を利用したナス栽培が行われています。

 栽培に取り組むのは喜連川温泉熱園芸組合のメンバー(軽部喜一組合長、8人)。温泉の浴用以外の有効利用を目的に、「喜連川温泉ナス」として1985年から栽培がスタートしました。出荷期間は9月下旬から翌年6月上旬ごろまで。露地栽培のものがなくなる冬期に生産されています。

 越冬ナスのハウス栽培は一般的には重油ボイラーを使って行われます。しかし、同組合では、くみ上げた温泉を熱交換機で温風に変え、夜間ハウス内を暖めます。外気温が氷点下になる時でも、ハウス内の温度は12度前後に保たれます。また土壌の水やりにも温泉を使用しています。軽部組合長は「コストは重油ボイラーに比べ半分以下。何よりも環境にも優しい」とメリットを説明します。

 現在の総栽培面積は約2ヘクタール、生産量は年間約200トンに上ります。出荷先は約4割が首都圏に、残りは県内に出荷。産地をPRしようと「道の駅きつれがわ」でも販売しています。「焼いて食べるのがお薦めです」と軽部さん。「普通のナスに比べ食感がやわらかく、甘みもあっておいしい」とリピーターも増えています。

 同組合では減農薬栽培にも力を入れています。土壌には有機質の堆肥(たいひ)を使用。土壌殺菌も太陽熱や蒸気消毒などで行っています。「安全・安心なおいしい温泉ナスをつくっていきたい」と意気込む軽部さん。現在、漢方を使う減農薬栽培方法にも試験的に取り組んでいます。

 [写真説明]安全・安心なおいしい温泉ナスの栽培に取り組む軽部喜一組合長=さくら市喜連川


JAしおのや
代表理事組合長 伴瀬明郎
組合員数(平成18年1月末正准組合員合計) 1万3656人
扱い高(農畜産物) 120億9186万1000円
住所 さくら市桜野1670の2
電話番号 028・681・7555

※温泉ナスに関する問い合わせ 喜連川地区営農生活センター・営農課電話028・686・3211