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 文星芸術大学附属高校剣道部の部員から選抜されたチームは、昨年10月の「いちご一会とちぎ国体」の銃剣道少年の部で見事優勝しました。本県初の悲願達成です。成年男子も準優勝に輝き、競技別総合優勝を果たしました。地元開催の国体を見据え、地道な強化に取り組んできただけに、選手たちはもちろん、関係者の喜びがあふれます。

昨年の「いちご一会とちぎ国体」銃剣道少年の部で優勝した、左から中堅の真鍋 翔吾(まなべ・しょうご)さん、吉原 拓海(よしわら・たくみ)さん、大将の斎藤 広人(さいとう・ひろと)さん、先鋒の大森 丈瑠(おおもり・たける)さん
昨年の「いちご一会とちぎ国体」銃剣道少年の部で優勝した、左から中堅の真鍋 翔吾(まなべ・しょうご)さん、吉原 拓海(よしわら・たくみ)さん、大将の斎藤 広人(さいとう・ひろと)さん、先鋒の大森 丈瑠(おおもり・たける)さん

(企画・制作 下野新聞社営業局)

一瞬の判断で勝敗が決まる

 国体で先鋒を務め、優勝への道を切り開いた大森 丈瑠(おおもり・たける)さん(18)は、中学1年生から剣道を始めました。小学生の頃には空手をやっていたそうですが、中学校の部活には空手はなく、同じ武道の剣道を選んだそうです。
 剣道をさらに究めるために文星芸術大学附属高校に進学し、剣道部で銃剣道と短剣道の指導にあたっている鈴木 利広(すずき・としひろ)さん(54)と出会いました。「鈴木先生の勧めで銃剣道を始めました。もちろんそれまで経験はありませんでした」と、きっかけを振り返ります。
 銃剣道はほぼ剣道と同じ防具を身に着け、竹刀の代わりに長さ166センチの木銃を使って、胴や喉、小手、肩などを突くことで勝負を決めます。「剣道に比べて試合展開が速く、一瞬の判断が勝負を分けることになります」。そのスピード感が魅力でもあり、難しいところでもあると、大森さんは語ります。剣道と両立することで、補完し合っていい影響が出たとも分析しています。
 入部以来、国体での優勝を目指して稽古に励んできましたが、「一生懸命に取り組んできた結果が実って、本当にうれしかった。努力したことは結果として返ってくることを実感しました」と笑顔を見せます。
 指導者の鈴木さんは陸上自衛隊宇都宮駐屯地に勤務しながら、文星芸術大学附属高校剣道部で、銃剣道と短剣道の指導に携わっています。短剣道では何度も全国優勝に導いています。

鈴木利広さん(写真中)の指導のもと、地元開催の国体で優勝をしました
鈴木利広さん(写真中)の指導のもと、地元開催の国体で優勝をしました

目標を明確にする指導方法が結実

 今回の国体に向け、栃木県銃剣道連盟の指導部長として選手強化にあたり、優勝を目指してきました。「国体では少年男子で優勝して成年男子につなげたかったので、それができてよかったと思います」。成年男子も準優勝に輝き、総合優勝を獲得できただけに、責任を果たせて喜びと同時にほっとした表情です。
 「高校生たちにはメンタル面などを重視して指導してきました。きつい練習もありますが、しっかりと目標を設定して、その目標に向け何をしなければならないかを明確にしながら取り組んできました」。勝っても負けても、その理由をよく検討し、次につなげていくように心がけたといいます。剣道部の部員という素地があるため、武道と向き合う心構えがきちんとしており、深く理解してくれたと選手たちをたたえます。

一瞬の判断で勝負を分けるのが銃剣道の魅力
一瞬の判断で勝負を分けるのが銃剣道の魅力

今後に向けて競技全体を底上げ

 大森さんは大学進学後も競技を続けています。「国体での優勝は、これからの人生に大きな経験になりました。銃剣道は心身ともに高みに上れる競技だと思うので、後輩たちにもぜひ頑張って取り組んでほしい」と激励します。休みで宇都宮に帰った折などは、積極的に指導にあたりたいと人材の育成にも心を寄せます。
 これまで銃剣道は国体での開催が隔年でしたが、今後は念願だった毎年開催になります。鈴木さんは「国体と同様の競技力を維持し続けていかなければなりません」と決意を固めます。文星芸術大学附属高校を常勝チームとしていくほか、競技全体の底上げにさらに力を入れる方針です。

Profile

文星芸術大学附属高校銃剣道チーム(宇都宮市)

 昨年の国体に出場した選手たちは、文星芸術大学附属高校剣道部に所属していました。剣道の練習と並行して銃剣道の稽古にも励みました。
 同国体の成年の部は準優勝を果たし、「栃の葉国体」以来の競技別総合優勝に輝きました。
※新型コロナウイルス感染症対策に留意の上、3月に取材を行いました。(写真撮影の時のみマスクを外してもらいました)

文星芸術大学附属高校銃剣道チーム 紹介動画
 
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