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宇都宮市を拠点にするサッカークラブ「ISO SC(イソサッカークラブ)」は、今年3月に開かれた「第3回ビーチサッカーU-12フェスティバル」で、初出場でありながら、見事優勝を勝ち取りました。来年の連覇に向けて練習に力が入ります。

(企画・制作 下野新聞社ビジネス局)
全国に認められた〝海なし県〟栃木
夜7時過ぎ、宇都宮市上田原町のビーチサッカー場「トロピカルアイランド日光ビーチ」に子どもたちが続々と集まります。その後、砂を敷きつめたコートで、約1時間半にわたって実戦形式の練習が続きます。
「ISO SC」は、元サッカー選手で、ビーチサッカーの日本代表を務めた磯 裕章(いそ・ひろあき)代表(44)が、出身地の宇都宮市田原地区に創設しました。ビーチサッカーのほか、通常のサッカー、フットサルも教えています。
今回の優勝について磯代表は「この時のチームのメンバーは、フットサルで全国大会に出場しましたので、ビーチサッカーでも頑張ってくれると思っていました」。全国大会初出場で初優勝の快挙に顔をほころばせます。
磯代表がビーチサッカーと出合ったのは、栃木ウーヴァFC(現栃木シティ)に所属していた30歳の時。同競技が盛んな沖縄県で、日本代表としてプレーする元チームメイトを見て、「自分も日の丸を背負って戦ってみたい」と強く思うようになったそうです。県内にはビーチサッカーを競技する環境はなく、不退転の決意で沖縄に渡り、35歳で日本代表の座を勝ち取りました。今、古里に戻って指導者となりましたが、今回の優勝で〝海なし県〟栃木県のビーチサッカーが全国に認められたと、感激もひとしおです。

青い海の近くでプレーする爽快感
優勝チームの主力となったメンバーは卒業し、新チームとなりました。齋藤 仁我(さいとう・じんが)さん(12)=宇都宮市立豊郷北小6年生=は、5年生で出場し、優勝を体験しました。「とてもうれしくて涙が出ました」と振り返ります。一方で「少しだけ出られた決勝戦は、厳しい戦いになり、自分としてはあまりいいプレーができませんでした」と話し、来年の全国大会で奮闘する決意を固めます。
齋藤さんは小学1年生の時、友達に誘われてサッカーを始めました。ビーチサッカーに取り組み始めたのは5年生からです。「青い海が見える砂の上で競技する素晴らしいスポーツです」とすっかり魅せられた様子です。スコップやオーバーヘッドキック、ボレーシュートなど、普通のサッカーでは難しいテクニックを使えるのも魅力、と語ります。
今後、関東大会を突破し全国での連覇を目指しますが、「将来はサッカーでの日本代表になりたい」と夢を描きます。
迫力あるプレーができるのも魅力
畑野 由樹(はたの・ゆうじゅ)さん(12)=宇都宮市立豊郷中央小6年生=も、5年生で全国大会を経験しました。優勝を振り返って「すごくうれしかったし、そこに連れて行ってくれた先輩たちに感謝しています」と話します。
小学1年生から友達と一緒にサッカーを始めたそうですが、そのうちに磯代表の姿にあこがれてビーチサッカーもやるようになりました。「オーバーヘッドなど普通のサッカーとは違った迫力のあるプレーができるし、ゴールが決まった瞬間、全員で盛り上がれるところが楽しい」とその魅力を語ります。
チームのメンバーに対しては「大きな声を出し合って、すごくいい仲間だと思います」と語ります。当面の目標は「まずは関東大会で優勝して、全国でも連覇したい。『全国に行くぞ!』と声を掛け合って頑張りたい」と気合十分です。
これからもずっとサッカーを続け、齋藤さんと同様に日本代表になりたいと決意を語ります。


栃木県から日本代表選手を
ブラジルのサッカーが強いのは、幼い頃からビーチサッカーに親しんでいるから、と磯代表は語ります。「体幹やスタミナ、スピード面が鍛えられるほか、裸足で直接ボールに触れることで、テクニックも身につきます」とその効果を披露します。
最近は県内での愛好者も増えてきました。「今回、日本一になれたことや社会人のチームができて関東リーグで戦っているなど、クラブを立ち上げた成果が出てきていると感じます」。それでもまだマイナーなスポーツであることは否めません。「海外では浜辺に5000人規模のスタジアムがあって、多くの観客が応援しています。日本でもそうなってくれれば」と願います。
「誉めて伸ばすこと」をクラブのモットーに掲げています。当面は新しいチームで全国大会での連覇を目標にしていますが、「栃木県でのビーチサッカー人口を増やすこと、また、このビーチサッカー場から日本代表を出すことが夢です」と決意を込めました。

Profile
ISO SC(イソサッカークラブ)(宇都宮市)
磯代表が2020年に創設。ビーチサッカーを取り入れている県内で唯一のクラブです。現在、宇都宮市を中心に約80人の子どもたちが所属しています。ビーチサッカーの練習は、水~日曜日の夜。ほかにも各種のコースが設けられています。
栃木県民共済は県民読者の皆さまをこれからもサポートして参ります。