[PR]栃木県民共済

 足利大学附属高校レスリング部の阿部 天臥(あべ・てんが)選手(17)=3年生=は、昨年佐賀県で開催された国民スポーツ大会の少年男子グレコローマンスタイル125キロ級で、劇的な逆転初優勝を飾りました。他の選手も上位に入賞。同部の強さを全国に見せつけました。

昨年の国民スポーツ大会とで優勝した阿部 天臥さん(17)、団体メンバーの松井 礼士(まつい・れいじ)さん(18)、土肥 利羽(どい・とわ)さん(16)、坂本 大星さん(17)、内海 楽(うつみ・がく)さん(16)、柳澤 志音(やなぎさわ・しおん)さん(18)、𠮷永 昊生(よしなが・こう)さん(15)=右から
昨年の国民スポーツ大会とで優勝した阿部 天臥さん(17)、団体メンバーの松井 礼士(まつい・れいじ)さん(18)、土肥 利羽(どい・とわ)さん(16)、坂本 大星さん(17)、内海 楽(うつみ・がく)さん(16)、柳澤 志音(やなぎさわ・しおん)さん(18)、𠮷永 昊生(よしなが・こう)さん(15)=右から

(企画・制作 下野新聞社ビジネス局)

各種の大会で上位実積を残す

 レスリング部の練習場の壁には、歴代の部の戦績を記録したパネルがびっしりと掲示され、中にはセピア色の写真も並ぶなど、歴史の積み重ねと実力の様子がうかがえます。平日の放課後、その練習場に集まってきた部員たちは、敷き詰められたマットの上で、黙々と練習に励んでいます。
 ランニングによる基礎体力づくりを隔日の朝に練習。放課後はほぼ毎日、実戦的な組手を中心に取り組み、それぞれの課題の克服に努めています。練習中は張りつめた空気に包まれていました。
 現在、部員数は1年生から3年生まで14人。昨年は個人競技で阿部さんらが出場した第78回国民スポーツ大会「SAGA2024」で優秀な成績を収めたほか、団体競技でも高校選抜、インターハイともに3位に入るなど好成績を残しています。また、今年に入ってからも関東高校レスリング大会で、団体3位、個人戦でも3人が2位入賞を果たすなど、活躍を続けています。

自らも練習相手となり指導を行う監督の青木 強教諭(左)
自らも練習相手となり指導を行う監督の青木 強教諭(左)

普段の練習の成果が実った

 国民スポーツ大会で優勝した阿部さんは「普段の練習の意味があったと、とてもうれしく思いました」とその瞬間を振り返ります。途中まで7対0の厳しい展開。あと1点取られたら負けというピンチを跳ねのけての逆転勝利だっただけに、喜びもひとしおといった表情です。
 後半に入る前、監督の青木 強(あおき・つよし)教諭(39)からもらった「点は取られているけれども、全力を出し尽くせ」という言葉が大きな励みになったといいます。「例え負けても全力を出す試合をする」という普段から心がけている思いが実りました。
 父が那須塩原市で総合格闘技のジムを経営。阿部さんも小学3年生から総合格闘技に親しんできました。その流れの中で、体を強くするにはレスリングが最適と考えて、高校からこの道を選んだそうです。「練習を重ねれば強くなっていく実感が持てるし、体ひとつで戦って勝つ、という楽しさがあります」とその魅力を話します。
 当面の目標は、今年のインターハイ、全国高校生グレコローマン選手権、国民スポーツ大会で優勝を勝ち取ること。さらに大学に進んで、全国1位になることも目指します。

国際大会でも活躍する選手に

 現在2年生の坂本 大星(さかもと・たいせい)選手(17)は、今年6月の関東高校レスリング大会男子フリースタイル65キロ級で2位に輝きました。今後も各種大会で活躍が期待される有望選手です。「決勝まで進めて2位になれたことはうれしかったですが、これに満足することなく、インターハイなどで優勝できるよう頑張りたいです」と気を引き締めます。
 茨城県出身でレスリングを始めたのは5歳の時。兄が取り組んでいる姿を見て始めたそうです。「最初は楽しかったのですが、だんだんランニングなどの基礎トレーニングが多くなってきて、いやになったこともありました」と苦笑いします。そのうちに試合で勝てるようになって、モチベーションが上がってきたと話します。
 県外から同校に入学しましたが、部の仲間については「個々に高い技術を持っていて、お互いに高め合っていけるチーム」と評価します。将来については、当面のインターハイや国民スポーツ大会で優勝を目指すことはもちろん、「国際大会で表彰台に上れるような選手になりたい」と力強く語ります。

連続して組み合い続ける選手たち。身体だけで戦う姿は本物の強さを感じます
連続して組み合い続ける選手たち。身体だけで戦う姿は本物の強さを感じます

部員たちの自主性を生かす

 青木監督は、阿部さんの優勝ついて「優勝できると思ってはいましたが、ピンチもあったので、よく頑張ったと思います」と健闘をたたえます。マットの内外の切り換えが上手で、普段は一緒にいてとても楽しい生徒、と笑顔がこぼれます。坂本さんについては「小さい頃からやっているベテランですが、まだ成長できるのでそれに伴って結果もついてくると思います」と期待を寄せます。
 自身も10歳の頃から競技を続けてきました。同校の卒業生でもあります。「レスリングは道具を使わず、体の技術だけで戦うので、勝ちも負けも、言い訳のできないところが魅力」と語ります。
 指導の方針としてはボトムアップを心がけているとのこと。練習メニューも、生徒たちが考えたものにアドバイスを加えながら組み立てているそうです。「研究を重ねて、さらにいいものにしたい」。部員たちの意思を尊重しながら、今年もインターハイなど各種大会での優勝を目指します。

 

Profile

足利大学附属高校レスリング部(足利市)

同部には現在、3年生3人、2年生が4人、1年生が7人所属しています。強豪校で力をつけたいと考える選手たちが、県内はもとより、東京、茨城、福島、静岡などからも入学。寮生活を送りながら練習に取り組んでいます。

足利大学附属高校レスリング部(足利市)紹介動画
 
 栃木県内で活躍されている方々を紙面を通して紹介させていただきます。
 栃木県民共済は県民読者の皆さまをこれからもサポートして参ります。