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小山工業高等専門学校は、昨年11月に行われた「第34回アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト2021」(高専ロボコン)の全国大会で2年連続優勝に輝きました。見る者に深い感動を与えたチームに贈られる最も名誉な賞「ロボコン大賞」も併せて獲得。ダブル受賞の快挙となりました。今年も秋に開かれる大会に向けて製作に熱がこもっています。

(企画・制作 下野新聞社営業局)
仲間たちと協力し勝ち取った勝利
高専ロボコンは毎年違う競技課題に沿って競い合います。昨年は「超絶機巧(すごロボ)」がテーマでした。全国57校から115チームが出場。小山高専からは1本足で回転するスケーターロボット「アクセル姉さん」が地区大会を突破し、26チームが出そろう全国大会へ進みました。
矢川 大斗(やがわ・ひろと)さん(19)=電気電子創造工学科5年生=は、「アクセル姉さん」を製作した「クアッドアクセラー」チームの設計担当で、当日の操縦も行いました。「最後の演技だったのでとても緊張しました。それまで成功していないジャンプしてからの着地が、本番で決まってとてもうれしかった」と振り返ります。将来は次世代型の自動車の開発に携わりたいとのこと。「仲間たちと力を合わせてアイデアを現実化していく過程が楽しかった」と語ります。

昨年のプロジェクトリーダーであり、ジャンプ技のタイミングを決める担当だった清水 由彦(しみず・よしひこ)さん(20)=機械工学科5年生=は「地区大会では着地が決まらず、不安でいっぱいでした。優勝もうれしかったですが、着地が成功して本当にホッとしました」と喜びを話します。小学生の時に同校の「ロボット教室」を見学。ロボコンに出場したくて入学したそうです。チームリーダーとして「チーム全体としてどう動くべきかを考えました」と話す清水さん。将来は自動車関連の仕事に就きたいとのことです。
10月の地区大会へ製作に力入れる
今年の競技課題は「ミラクル☆フライ~空へ舞いあがれ!~」です。ロボットを使って紙飛行機を飛ばす課題に挑戦します。現在、10月の地区大会に向けて、試行錯誤を繰り返しながら製作に励んでいます。
今年のプロジェクトリーダーの田村 哲(たむら・さとし)さん(19)=電気電子創造工学科4年生=は「ロボットで紙を扱う難しさを感じています。練習にしっかりと時間をかけて正確に飛ばせるよう頑張りたい」と意欲を燃やし、「先輩たちが築いた伝統を引き継ぎつつも、気負わないで最善を尽くしたい」と語ります。
木下 紬(きのした・つむぎ)さん(17)=電気電子創造工学科3年生=は「小山高専のロボットは見ていて楽しいのですが、裏には地道な作業があることを知りました」と製作する側になっての苦労を語ります。「ロボコンをやりたくて入学する人も多いので、励みになるような結果を残したい」と木下さん。

独創的なアイデアに今後も期待かかる
同校の田中 昭雄(たなか・あきお)教授は、1993年からずっとプロジェクト活動の指導教員を務めてきました。「1年ごとに参加者を募り、全く新しいプロジェクトとしてスタートします」。毎年、数チームが名乗りを上げますが、出場できるのは2チームだけなので、アイデアをプレゼンテーションする学内審査を行って絞り込むとのことです。
試合に勝つこともさることながら、独創性が重視されるのが高専ロボコンの特徴です。昨年は演技内容が大会唯一の100点満点だっただけでなく、アイデアや技術が総合的に評価される「ロボコン大賞」に輝いたことも大きな喜びとなりました。「今後のチームも〝アイデア対決〟だということを忘れずに、独創的なロボットを作り続けてほしいですね」と期待します。

Profile
小山高専ロボコンプロジェクト
「高専ロボコン」は1988年から始まりました。小山高専のチームは、田中教授の指導のもと95年に全国大会に初出場。以来、常連校となりました。20年に初優勝に輝き、昨年は2年連続での優勝となりました。
※新型コロナウイルス感染症対策に留意の上、取材を行いました。(写真撮影の時のみマスクを外してもらいました)
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