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 那須烏山市の「山あげ祭」が7月26日から開催されます。奉納余興の野外歌舞伎では豪壮な「はりか山」を背にした舞台で小中高校生の若い力が躍動します。今年は「こども歌舞伎舞踊」が初めて上演されます。本番を前に熱のこもった稽古が続けられています。

(企画・制作 下野新聞社営業局)

 

観客を湧かすため 稽古を頑張る

 山あげ会館内に設けられた稽古場では野外歌舞伎の踊り手と常磐津(ときわず)の合同稽古が佳境を迎えています。

 藤田華叶(はるか)さん(17)(写真右上)と渡辺笑香(えみか)さん(16)(写真左上)は小学校1年生の時から踊りの稽古を重ねてきました。
 「役柄の心情を台詞を通して伝えたい。お客様にうまく伝わるように常磐津の唄や情景に合わせて表情を変えていくところを頑張って練習しています」(藤田さん)、「みんなに観ていただいて『すごいね』と言われるとうれしい。私は男役が多いので迫力のある演技をしたいです」(渡辺さん)と本番への意気込みを話します。

 黒須清那(せいな)さん(10)(写真右下)は、祭の若衆世話人を務めるお父さんに勧められて5歳から稽古を始めました。「踊りは難しいところもあるけど、頑張って出来るようになるとうれしい」と話します。

 常磐津とともに踊り手の舞台を盛り上げるのが鐘や太鼓の鳴物(なりもの)です。藤田太陽(たいよう)さん(14)(写真左下)は姉華叶さんの影響で山あげの舞台を観るようになり鳴物が楽しそうに感じ、それから鳴物一筋。「舞台では踊り手が一番注目されますが、僕は鳴物でお客さんを湧かせたい。踊り手との間合いをはかりながら細かい音が出せるようにしたい」と意欲的です。

精進の成果を祭の舞台で披露

西川先生(真ん中右)からの細かい演技指導が入ります。西川先生は、幼い頃に金棒曳手として山あげ祭に参加してからの関わりがあるそうです。

 踊りの指導にあたるのが西川流西川扇士浪先生です。「単なる習い事の発表会ではないということを子どもたちには言い聞かせています。行政の支援があって、その中で育成させていただいているという自覚が大切、生半可なことはできません」と伝統文化の保存継承を担う責任を語ります。

 「子どもたちは毎年進歩しています。一歩一歩の精進、一生懸命稽古した成果を山あげ祭で披露してもらえることが一番うれしい」と話します。 

伝統文化をつなぐ、その誇りと責任

山あげ祭で初の試みとなる「こども歌舞伎舞踏」の練習風景。7月27日(土)午前9時から『将門』を演じます。

 山あげ祭の魅力は、若衆と踊り手、常磐津が一体となった舞台です。渡辺さんは「ひとりでは絶対出来ない。若衆さんたちが山や舞台装置を担当してくれるので私たちが踊れるんです」。藤田さんは「舞台の楽しさを知っているので、いろいろなかたちで山あげの良さを伝えていければ」と話します。そして伝統文化に携わっていることに「誇りを感じる」と口を揃えます。

 少子高齢化の中で地域の伝統文化を保存継承していくことは簡単なことではありません。西川先生は「世代交代の時期は必ず来ます。自分が持っているものを全部教え込んで、そういう時にしっかり演じられる子がいて、その子たちが大人になっても、できれば烏山の地を離れず、永く山あげに携わっていってもらえればうれしい」と山あげの将来、地元への想いを語ります。

Profile

烏山山あげ保存会芸能部会(那須烏山市)

 踊りは西川扇士浪先生の指導の下、常磐津は常磐津津紫摩先生の下で年間を通して稽古に励んでいます。山あげ祭だけではなく3月の浅草こども歌舞伎まつり、栃木県郷土芸能大会、地域のイベントなどにも参加しています。着付け、化粧担当を含めると総勢46人。

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