園内のレストハウスで販売しているピザとおにぎりを持つ相良さん(左)と従業員ら

 【佐野】人口減少が続いている飛駒地区の活性化を目的に2019年にオープンした観光農園「佐野フォレストストックファーム」が今月で5周年を迎えた。リンゴ園や直売所に続いて今年からレストハウスで食事の提供を開始し、今月21日からは地産の米を使ったおにぎり、11月から自家製の焼き芋販売を始める。社長を務める相良利夫(さがらとしお)さん(72)=小山市犬塚2丁目=は「自然に囲まれた飛駒の魅力を多くの人に知ってもらい、何度も足を運びたくなる場所にしたい」と意気込んでいる。

 市の北部、群馬県桐生市との県境に近い飛駒地区は年々、人口減少や高齢化が懸念されている。同地区の山を買い、閑馬町で林業会社を経営している相良さんは「子どもの声が聞こえない場所になってしまった。このままでは数年後に限界集落になってしまう」と危機感を抱いた。

 そこで飛駒地区への恩返しの意味合いも込め、「テーマパークのような場所をつくりたい」と19年秋に同社を設立。手始めとして土地の水はけの良さを生かし、リンゴ園を始めた。現在、リンゴの木は約850本に増え、収穫したリンゴを園内の直売所や近辺の道の駅などで販売している。

 ことし2月からは園内に地産のヒノキを使ったレストハウスを新設し、ピザやコーヒー、ソフトクリームなど軽食の提供を開始。さらに「地元産の農作物を使った食事を味わってほしい」とおにぎりや焼き芋も販売する。

 今後は家族連れなどが楽しめるよう、リンゴ狩りや観光牧場など新たな事業にも取り組むという。相良さんは「お客さまに来たいと思ってもらえる場所にするのが夢。いずれは飛駒地区全体が観光地になることを目指したい」と話した。

 同園は午前11時~午後4時。定休日は水、木曜。(問)同園0283・25・8377。