加守田章二「壺形彩陶」(1971年、益子陶芸美術館蔵)

ジュリアン・ステア「身体型壺」(2023年)

加守田章二「壺形彩陶」(1971年、益子陶芸美術館蔵) ジュリアン・ステア「身体型壺」(2023年)

 益子陶芸美術館で開館30周年記念企画展「ジュリアン・ステアと加守田章二(かもだしょうじ) “うつわ”の必然性」が開かれている。現代イギリス陶芸を代表するステアさん(1955年~)と日本近代陶芸の寵児(ちょうじ)である加守田(1933~83年)。貴重な初期作品を含めた約50点を通し、2人の作家と“うつわ”という造形との関係性を探っていく。

 うつわを「食器のような用途のあるもの」というイメージから、「内と外がある形」と置き換えてみる。カップ&ソーサーもオブジェにも皆、「内と外」は存在する。「この『内と外』を考えているということが2人の作家の共通点ではないか」と同館の磯詩子(いそうたこ)学芸員。同展の主眼は「うつわ」を捉え直し、それを作る必然性の考察にあるとする。