気候が穏やかで水資源が豊かな栃木県は、農産物作りが盛んです。2021年の県内の農業産出額は2693億円で、47都道府県の中で9位に位置しています。
有名な農産物といえば、イチゴですね。21年の生産量は2万4400トンで全国1位でした。1968年から54年連続で日本一を誇っています。
今から約70年ほど前には、栃木県でイチゴの栽培は難しいといわれていました。しかし、足利市出身の仁井田一郎さんが新しい栽培方法などを開発。イチゴ栽培の基礎を築きました。
その後、栽培が本格化しました。当時は畑で作る「露地栽培」が盛んでしたが、研究が進み、苗にシートをかけて作る「トンネル栽培」、ビニールハウスの中で作る「ハウス栽培」へと進化。出荷開始時期も11月上旬にまで早まりました。
1985年、栃木県のオリジナル品種「女峰」が生まれました。そして96年には「とちおとめ」が誕生しました。その後も品種改良が進み、「スカイベリー」や「とちあいか」などが開発されています。生産者や農業団体、行政が一丸となり、「いちご王国」のさらなる発展に取り組んでいます。
全国に誇れる野菜・果物は、イチゴだけではありません。かんぴょうの生産量は全国1位。鹿沼市などで生産が盛んなニラは2位、宇都宮市や芳賀町などで作られているナシは3位です。他にもウドやコンニャクイモ、サトイモなども全国トップクラスです。