発掘の作業を体験する参加者

 【大田原】県埋蔵文化財センター(下野市紫)は27日、現在発掘調査している湯津上の上侍塚古墳で、発掘体験を行った。市内外の小学生から60代の参加者21人が作業を体験し、土器のかけらなどから古代の人の営みを感じ取った。

 県の「いにしえのとちぎ発見どき土器わく湧くプロジェクト」の一環。

 上・下侍塚古墳を合わせた「侍塚古墳」は「日本で最も美しい古墳」と称される。江戸時代、徳川光圀(とくがわみつくに)の命で日本で初めて学術的調査が行われ、「日本考古学発祥の地」と呼ばれる。

 参加者は、古墳の東西に掘られ、葺(ふ)き石の出土しているトレンチ(試掘溝)で身をかがめ、スコップを使って丁寧に土を削り取った。約10点の土器のかけらが見つかった。

 親園中1年大島唯愛(おおしまゆな)さん(12)、妹で親園小3年茉桜(まお)さん(8)と、同校6年前田粋(まえだすい)さん(11)は共に発掘作業を体験。「昔の石が置かれたままの状態で出てきていると感じ、驚いた。楽しかった」などと話した。