次世代型路面電車(LRT)の26日の開業まで、23日で残り3日となった。国内初の全線新設に多くの注目が集まる中、整備を担った宇都宮市と芳賀町、運行会社宇都宮ライトレールのトップにLRTへの期待や今後の展望などを尋ねた。
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-いよいよ開業を迎える。
「多くの人が関わり、長い年月も経過して迎える開業であり、自分自身も町職員時代に携わってきた面からも深い思いがある。来年町制70周年という歴史を重ねてきた中で、これだけ町が全国的に注目されるのは初めてのことだ」
-町民からの期待も大きいのでは。
「県内でも電車が走っていない市町は少なく、何とかLRTを通したいというのは、長年の夢だったと思う。町にとって大きな一歩を踏み出すことになる。開業が近づき『乗ってみたい』という声がかなり聞かれるようになってきた」
-町として事業費81億円をかけた。
「町の(以前の一般会計当初予算)1年分以上のお金を投資しており、町として覚悟を持って取り組んだ事業だ。町では議会や町民から表立った反対もなく進んできており、いかにまちづくり、町の活性化につなげるかが重要になる」
-LRTがもたらす効果をどう考える。
「工業団地で働く従業員や芳賀町に足を運ぶ人々など、関係人口と交流人口がこれからますます増える。町の活性化が新たな展開を迎える中、何とか町の人口増加につなげたい」
-LRT開業を見越した動きも活発だ。
「芳賀第2工業団地の造成も完了し、完売している。LRTが通ることで地価も上がっている。新たに整備した住宅団地も全て売れるなどさまざまな面で注目、期待されており、この先の展開が大切になる」
「まちづくりのポテンシャルや可能性をLRTからもらえた。このタイミングで(5月に)町長になり、やりがいを感じている」
-工業団地以外の地域に恩恵が薄いという声もある。
「走るのは工業団地の中だけであり、周辺の開発の余地はほとんどない。交通渋滞の解消だけでは活性化につながっているとは言えない。やはりLRTを使って芳賀町に来て、魅力を感じてお金を使う、そういう仕掛けをしたい。真岡鉄道で周遊してもらうといった、芳賀地区としての広域的な取り組みも必要になる」