宇都宮市東消防署はこのほど、石井町地内の鬼怒川で、川に流されていた50代男性を助けた会社員2人に感謝状を贈った。男性は無事に救助されて命に別条はなかった。
感謝状を受けたのは市貝町赤羽、大塚剛史(おおつかたけし)さん(49)と宇都宮市ゆいの杜5丁目、鳥田佳史(とりたよしふみ)さん(52)の2人。
5月11日午後6時半ごろ、魚釣りをしていた大塚さんが黒いボールのようなものが川から流れて来るのを発見。よく見ると人の頭部だったため「大丈夫ですか」「こっち、こっち」と男性に何度も声をかけて岸まで誘導し、引き上げた。
少し離れた場所で釣りをしていた鳥田さんは、川に叫ぶ大塚さんの声で異変を察知。駆け寄ってすぐ119番した。消防隊の到着を待つ間、寒さに震える男性に付き添って見守った。
2人に面識はなく、地元消防団で活動経験がある大塚さんは「人命救助の大切さは身に染みている。うまく誘導できた」、鳥田さんは「釣り歴は30年以上だが、初めての出来事で驚いた」と振り返った。
坂寄和則(さかよりかずのり)署長は「助けようと慌てて川に飛び込んだりせず、的確な対応。素晴らしい」と感謝した。