【益子】益子の益子焼製造販売「つかもと」の創業家の住まいとして使われていた古民家がこのほど、「アートスペースほんたく」としてオープンし、カフェや有料のレンタルスペースとなった。創業家の塚本(つかもと)家と縁のある鈴木京子(すずききょうこ)さん(75)ら町内の陶芸家6人とボランティアが協力して運営する。14日には町在住の絵本作家いわむらかずおさんによる朗読会「14ひきと益子」を開く。
古民家は木造平屋。1887(明治20)年ごろに撮影された写真で姿を確認できることから築130年以上とみられる。塚本家の住まいで「本宅」と呼ばれていた。約20年前に陶器を展示する美術館となったが、来館者の減少などで近年は活用されていなかった。
歴史ある建物を残していこうと、鈴木さんら有志が昨年秋から準備を進め、今年3月中旬にオープンした。和室は約50畳のレンタルスペースとし、食堂部分がカフェとなった。カフェは午前11時~午後4時。水、金曜定休。土日は石窯で焼いたピザも提供する。
鈴木さんは「自然豊かな場所にあるのでくつろぎに来てほしい。古民家の良さを生かし、展示会やイベントでも活用していただきたい」と呼びかける。
14日は「14ひきのねずみ」シリーズの作者であるいわむらさんが作品の朗読と作品の誕生秘話などを披露する。朗読の合間にはピアニスト稲生亜沙紀(いのおあさき)さんによるオルガン演奏もある。オルガンは塚本家で使われてきた80年以上前の物を使用する。
午後2時半開演。入場料は大人2千円、小学生500円、未就学児は無料。定員約80人。チケットは事前販売しており、当日券もある。(問)ほんたく090・7503・3652。