「にこっぺパン」を引き継いだ(左から)福井さん、実行委員長の江口さん、荒井さん、船曳さん

 【日光】市内の飲食店を巡って各店舗オリジナルの具材が入ったコッペパンをテイクアウトなどで食べ歩きできるイベント「にこっペパン」が今年も11月2、3の両日に開催される。新型コロナウイルス禍を受けて飲食店の窮状を救おうと2020年、日光青年会議所主催で始まり、毎年秋に開かれてきた。コロナ禍が収束したため本年度、役割を終えたとして一度は開催が見送られることになったが「若者離れが著しい日光で若い人が楽しめるイベントを残したい」と市内飲食店の経営者ら4人が引き継いだ。

 新たな実行委員会を立ち上げ、引き継いだのは委員長を務めるお好み焼き店「つくし」(土沢)の江口洋介(えぐちようすけ)さん(36)と、旅館「祝い宿寿庵(じゅあん)」(川治温泉川治)の船曳大輔(ふなびきだいすけ)さん(42)、フランス料理店「ジルエット」(下鉢石町)の福井慎之助(ふくいしんのすけ)さん(34)、イタリア料理店「オステリアバッカナーレ」(森友)の荒井直樹(あらいなおき)さん(30)。

 昨年までイベントに店舗として参加していたが、9月上旬までに今年の開催見送りを知ったという。旧知の4人は「お客さまから『今年はやらないの』という声をもらっていた。終わらせてはもったいない」と意見が一致。急きょ決断して新たに実行委を立ち上げた。店舗への声かけなどを行った結果、今市、日光、藤原などの飲食店約25店舗の参加が決まり、個性豊かなコッペパンを楽しめるイベントの継続にこぎ着けた。

 江口さんらの店舗も焼きそば、ブルーベリーホイップ、ローストビーフなどを挟み込んだオリジナルコッペパンを提供する。「つくし」駐車場にはキッチンカーも集まる予定。江口さんは「市内には素晴らしい飲食店がたくさんある。知ってもらえる良い機会にして、地域の方々にも貢献できれば」と話している。

 開催時間や価格は店舗により異なる。参加店舗などの詳細は「つくし」のインスタグラム。(問)同店0288・25・5194。