【小山】市の歴史をモチーフに創作された市民オペラ「小山物語」が、市制70周年を記念して12月8日、市文化センター大ホールで5年ぶりに上演される。市教委や市内の音楽関係者らで組織する実行委員会が主催。20日夜には市文化センター大ホールで関係者約100人が出席して発会式を行った。実行委員長で総監督を務める荒井弘高(あらいひろたか)白鴎大名誉教授(71)は「今から20年前に提案し出来上がったオペラがここまで続くとは思わなかった。皆さんで成功させて喜び合いましょう」と呼びかけた。
同オペラは2004年の市制50周年を記念して創作された。以降、5年ごとに公演を行い今回で5回目となる。全3幕構成で、寒川尼(さんがわに)やじゃがまいたなど、市民になじみ深い歴史や文化を盛り込んでいる。
第1、第2幕では約840年前、源頼朝(みなもとのよりとも)が平家打倒に立ち上がった際の小山家の苦悩や決断を描く。第3幕は江戸時代の間々田宿や祇園城跡を舞台に、庶民の恋物語を喜怒哀楽を交えて表現する。
発会式では指揮者や主要キャストなどが自己紹介。その後、主要キャストと合唱団員、児童合唱団員がそれぞれ音楽稽古に臨んだ。本番に向けて今後、週1回程度の練習を重ねる。
指揮者は前々回、前回に続き宇都宮市出身の小森康弘(こもりやすひろ)さん(48)が務める。小山朝政(おやまともまさ)役にテノール歌手の吉田連(よしだれん)さん(37)、朝政の母泰子(やすこ)(寒川尼)役に市出身でとちぎ未来大使のソプラノ歌手森朱美(もりあけみ)さん(56)らが出演する。
初回以来の同オペラ出演となる森さんは「文化センターのステージにはたくさんの思い出がある。若い人たちと力を合わせて素晴らしい舞台にしたい。自分の演じ方がどうなるのかも含め、今から本番が楽しみ」と意気込んでいた。