猛暑の中、大縄をもじる人たち

必死に大捻縄を引く子どもたち

猛暑の中、大縄をもじる人たち 必死に大捻縄を引く子どもたち

 【大田原】佐良土に古くから伝わる国選択無形民俗文化財「大捻縄引(だいもじひ)き」が17日、旧佐良土小校庭で行われた。新型コロナウイルス禍を越え、5年ぶりの復活。地域の人たちは心一つに直径約40センチ、長さ約41メートルの大縄をもじり(綯(な)い)、夕方からの引き合いで勝負を競いながら、地域の誇りと絆を感じ取った。

◇伝統への思い

 大捻縄引きは、約500年前、奥州岩城(いわき)氏と福原城主那須資房(なすすけふさ)の軍勢が湯津上地区を流れる箒川の崖で縄の引き合いをしたことが始まりと伝わる。「盆綱引き」の意味もあるともいわれる。20年余り途絶えたが、2017年に五穀豊穣(ごこくほうじょう)、身体安全などの願いを込め復活。しかしコロナ禍で20年から、休止を余儀なくされた。

 元ガソリンスタンド経営小林智範(こばやしとものり)さん(71)は子どもの頃、大捻縄引きで使うわらをリヤカーで集めたことを記憶している。大縄をもじることにも携わった。「よそで自慢になる」と口にし、「じっとしていられない」と17日も会場に出かけた。

◇大縄もじり