東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故で生じた放射性物質を含む指定廃棄物問題で、環境省が塩谷町上寺島の国有林を処分場(長期管理施設)の詳細調査候補地に選定してから、30日で10年となる。同町が一貫して白紙撤回を求める中、国は「県内1カ所に集約」する姿勢を維持し、最終処分は膠着(こうちゃく)状態が続く。県内6市町で農家が一時保管していた農業系廃棄物は3市で暫定集約が完了した一方、矢板など2市町では動きが停滞。最終的な行き先が定まらないまま、暫定集約の長期化を懸念する声も上がる。