小山市役所

 21日投開票の栃木県小山市長選で、開票速報を見ても午後11時過ぎまで得票の優劣が判明しない状態が続き、市民らをやきもきさせた。確定も開票開始から約3時間半後の同11時34分と、4年前の前回比で30分近く遅かった。市選挙管理委員会は「票の点検を入念に行ったため」と説明する一方、「多方面から意見をいただいており、スピードアップに向け改善策を検討したい」としている。

 市長選には元市議会議長の新人小川亘(おがわわたる)氏(56)と、再選を目指す現職浅野正富(あさのまさとみ)氏(67)が立候補し、一騎打ちの激戦となった。開票は県南体育館で同8時に始まり、同9時から30分ごとに途中経過を発表。同11時半を終了目標とした。

 ただ同11時まで、両氏の得票はほぼ同数。同11時15分の発表でようやく大差がつき、浅野氏が過半数を占めて当選確実となった。

 市選管の発表が慎重になったのは、4年前の苦い経験があるためだ。優勢とみた当時の現職側に人員を多めに配置した結果、序盤は現職の大量リードで発表。だが実際には新人だった浅野氏の得票が多く、終盤に大逆転する展開となった。

 さらに、昨春の市議選で有効とした2票について、県選管や東京高裁から無効と判断された問題もある。通常2回行う票の点検を、今回は3回に増やしたため時間がかかったという。

 このほか同9時半~11時半の発表で、小川氏に4票、浅野氏に1票の端数が生じ両陣営に困惑が広がった。市選管によると、点字票を盛り込んだためで「本来は最終盤の端数に盛り込むべきだった」としている。