【小山】任期満了に伴う市長選は21日の投開票まであと2日となり、終盤戦に入った。いずれも無所属で、再選を目指す現職浅野正富(あさのまさとみ)氏(67)が知名度を生かして先行、元市議会議長の新人小川亘(おがわわたる)氏(56)が市議27人のうち20人から支援を受けて懸命に追う展開。無党派層が多い市中心部での支持拡大が焦点となっている。
浅野氏は、財政再建や市民主体のまちづくりなど1期4年間の実績を強調。「流れを止めるな」と訴え、市内全域に浸透を図る。
出馬決断前の昨年末から各地区で政策懇談会を重ねるなど、支持者との対話を深めてきた。ただ、今春まで陣営には「無投票ムードが漂い緩んでいた」(選対幹部)。
対立候補擁立の動きが表面化して以降、急速に陣営の引き締めを図った。立憲民主党の藤岡隆雄(ふじおかたかお)衆院議員が個人の立場で支援して陣営をけん引。地元選出議員は中屋大(なかやだい)県議や市議6人と少数だが、連合栃木の推薦を受けるなど基礎票を固めているのが強みだ。
小川氏は「小山を、前に!」をスローガンに、自民・公明系の市議計20人が主体となって選対を組織。本部長に白石資隆(しらいしとしたか)県議、本部長代行に大木英憲(おおきひでのり)県議が就き、市議それぞれの後援会を通じてミニ集会を重ね、市内各地できめ細かに支持拡大を進めている。
ただ、出馬表明からまだ2カ月にも満たず、知名度不足が最大の課題。小川氏と、自民党系市議の顔写真を並べた「2連ポスター」を計17種類作成して道路沿いに設置し、市民にアピールする戦略を見せた。陣営幹部は「ようやく背中が見えてきた」と手応えを実感しているという。
両陣営とも政党に推薦を求めていないものの、藤岡氏と自民党の佐藤勉(さとうつとむ)衆院議員との「代理戦争」的な様相もみられる。
投票率は、両陣営とも45%前後と予想。新型コロナウイルス感染拡大のさなかだった前回は44・72%、前々回は34・89%だった。