山車2台を力強く引いて県道を練り歩いた「祇園祭」

 【佐野】飛駒町の八坂神社の祭典「祇園祭」が14日、同町内で行われた。地域住民らは笛や太鼓で祇園囃子(ばやし)を町内に響かせながら、県道を練り歩いた。

 祭りは1789年に始まったとされ、流行病の疫病よけや五穀豊穣(ごこくほうじょう)などが目的だった。現在は地域内の交流の場としての役割もあり、住民に愛された伝統行事となっている。

 地域住民や、中山間地域のまちおこしについて学ぶ宇都宮大の学生など約200人が参加。雨の影響で白い霧がかかる中、住民らは法被姿で、紙の花などでカラフルに彩られた山車2台を力強く引いた。祭りの最後には、阿亀(おかめ)と火男(ひょっとこ)の踊りも披露され、演者が踊りながら子どもたちにお菓子を配った。

 宇都宮大3年鎌倉里帆(かまくらりほ)さん(20)は「普段は触れられない、ローカルなお祭りに参加でき貴重な経験になった」と笑顔。今年の総代の提箸勝(さげはしまさる)さん(70)は「高齢化で山車を引く人が少なくなっている。今後も伝統行事を残していくためにも頑張りたい」と話した。