タツミ本社

 自動車部品製造のタツミ(足利市南大町、伏島利行(ふせじまとしゆき)社長)が9日発表した2024年3月期連結決算は、売上高が前期比15・7%増の74億1500万円、経常損益は2億6300万円の赤字から2億3千万円、純利益は3億9400万円の赤字から1億7300万円にそれぞれ黒字化した。通期決算が黒字になるのは5期ぶり。

 半導体の供給制約が緩和されて自動車生産台数が回復し、売り上げが増加した。原材料費や輸送費などの上昇分を価格転嫁したほか、円安による為替差益も利益を押し上げた。

 期末配当(年間配当)は新型コロナウイルス禍で悪化した財務体質の健全化を最優先し、無配とする。

 25年3月期の連結業績予想は、売上高が0・2%減の74億円、経常利益は69・7%減の7千万円、純利益は82・7%減の3千万円を見込む。自動車メーカーの品質不正問題や能登半島地震の影響で自動車生産が低下していることや、為替差益を厳しく考慮した。配当予想も未定とした。