宇都宮市中心部のオリオン通りで治安悪化が問題視される中、県警は6日までに、同通り周辺地域を歓楽街の環境浄化に向けて定める「風俗環境浄化重点地区」に指定した。県警によると、同通りでは飲食店の出店が相次ぎ、新型コロナウイルス禍の2022年末ごろから違法な客引きや酔客のトラブルなどが増えているという。宇都宮市内での重点地区の拡大は初めてで、県警は環境改善を図る。
県警は約20年前、環境浄化に向けた対策が必要なエリアとして、県内で最重点地区1カ所と重点地区2カ所を指定。今回は既に重点地区としていた「宇都宮市本町・泉町地区」に、同通り周辺を含め範囲を広げた。指定変更は3月22日付。県警は飲食店などへの指導や取り締まりを強化する。
同通りの治安改善を巡っては23年11月、県警や地元商店街、同市などでつくる「オリオン通り治安維持対策会議」が発足した。宇都宮オリオン通り商店街振興組合事務局長の松田法子(まつだのりこ)さん(59)は「指定変更をきっかけに治安がよりよくなってほしい」と期待した。
県警は22年12月から毎週末の未明などに同通りのパトロールをしている。6日は午前0時~同4時まで、県警生活環境課や宇都宮中央署、機動警察隊の警察官14人が巡回した。同署の大野優太(おおのゆうた)生活安全課長は「違法行為は徹底的に検挙し、県民が安心して利用できるよう官民合同で環境浄化に取り組む」と強調した。