栃木県警が2023年に認知した児童虐待は前年比67件(14・6%)増の527件で、統計のある00年以降で最多だったことが4日までに、県警のまとめで分かった。被害児童数は124人(19・2%)増の770人で、いずれも2年連続で最多を更新した。県警はしつけと称した体罰が虐待に当たるとの認識が社会に浸透したことや、全国的な虐待事案の発生で県民の関心が高まったことを要因に挙げる。

 県警人身安全少年課によると、虐待の類型別では、子どもの目の前で配偶者に暴力を振るうなどの「面前ドメスティックバイオレンス(DV)」を含む「心理的虐待」が47件増の319件で、前年同様に全体の約6割を占めた。同課は「児童の健全な成長や人格形成に深い影響を与える虐待として積極的に(児童相談所へ)通告している」とする。

 直接殴る蹴るなどの「身体的虐待」は22件増の154件。育児放棄や怠慢などの「ネグレクト」は47件、「性的虐待」は7件で、いずれもほぼ横ばいだった。