上映会のチラシを手にする谷津監督

 【足利】アフガニスタンで医療活動や用水路建設に尽力し、凶弾に倒れた中村哲(なかむらてつ)医師を追ったドキュメンタリー映画「劇場版 荒野に希望の灯をともす」が9日、朝倉町のあしかがフラワーパークプラザで上映される。中村医師を21年間密着取材した市出身の谷津賢二(やつけんじ)監督(62)が上映後、撮影秘話などを講演する。中村医師は足尾鉱毒事件の解決に生涯をささげた田中正造(たなかしょうぞう)を敬愛し、足利や佐野への来訪を望んでいたという。谷津監督は「今回の上映を喜んでくれるのではないか」と目を細める。

 中村医師(1946~2019年)は約40年前から、戦火の中で医療活動に従事。大干ばつによる飢えと渇きで人々が命を落としたため、用水路建設に全身全霊を傾け、乾いた大地を緑豊かな大地へ変貌させた。