石川県珠洲市内の保育所で給水作業を行う派遣チーム(那須塩原市提供)

 【那須塩原】能登半島地震を受け、6~9日に石川県珠洲市で給水支援を行った市上下水道部の職員4人が12日、下野新聞の取材に対し、「飲み水をはじめとするライフラインの重要性を実感した」などと活動を振り返った。

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 派遣チームは同部管理課の相馬福光(そうまよしひこ)課長補佐(51)と田代美和(たしろよしかず)主査(46)、整備課の野沢卓也(のざわたくや)主査(42)と磯博行(いそひろゆき)主査(40)。珠洲市は地震発生で断水し、市は容量2トンの給水車1台、サポート車1台と4人を派遣した。

 現地では避難所まで来られない人のために集落を回って個別に給水作業を行ったほか、自衛隊のサポートを受けながら病院に水を運搬。相馬さんは「避難所以外に水が届きにくい状況だったので、お年寄りに喜ばれた。北陸の方特有の気質かもしれないが、こうした混乱の中でも取り乱さず前向きな姿が印象に残った」と語った。

 野沢さんは「あらためてライフラインの重要性を強く感じた」、磯さんは「万が一、当市が被災したときの行動を考えさせられた」、田代さんは「自宅が土砂崩れの被害に遭った方が給水作業を手伝ってくれるなど、逆に励まされている気持ちになった」と話した。

 復旧に向けた道のりについて、相馬さんは「息の長い支援が求められることは確か。やみくもに行うのではなく、事前に情報を確認することが大切」と冷静に状況を見極める必要性を強調していた。