「連絡が取れず心配だ」「無事を願うことしかできない」。能登半島地震を受け、栃木県内でも被災地の知人らを心配する声が上がっている。

 作新学院高吹奏楽部顧問の三橋英之(みはしひでゆき)さん(62)は、旧石川県珠洲実業高吹奏楽部の元顧問の安否を気遣う。両部はマーチングバンドのユニホームを通じてつながりが深い。

 2019年、地元の飯田高と合併し既に閉校していた珠洲実業高吹奏楽部のユニホームを寄贈されたのがきっかけ。石川県マーチングバンド協会の山田正俊(やまだまさとし)理事長が以前、作新学院高で指導していたため寄贈につながった。

 昨年11月に珠洲市内で演奏会を開き、ユニホーム姿も披露した作新学院高は地震の被災地支援を行う準備を進めている。三橋さんは「停電などで不安を感じている子どもたちもいるだろう。必要とされる支援に取り組みたい」と話した。

 高校卒業後の5年間、石川県輪島市の輪島漆芸技術研修所で学んだ宇都宮市鶴田町、漆芸家宮原楓翠(みやはらふうすい)さん(50)は大規模な火災に見舞われた輪島市中心部の「朝市通り」周辺に恩師らが暮らしている。安否は分かっていない。朝市通りは「昔ながらの街並みが美しく何軒も漆屋がある。輪島塗にとってもダメージは深刻だ」と肩を落とした。