破綻直前の9月、金融庁は足銀に立ち入り検査を行った。焦点は資産内容などの実態把握だった。当時、金融庁検査局長を務めていた佐藤隆文(さとうたかふみ)氏(73)は「不良債権の状況、債務者企業の存続可能性や返済能力など相当綿密に実態を調べた」と振り返る。
不良債権が膨れ上がった要因として「バブル期の拡大路線で十分な審査をせず、安易な融資を大規模に行った」と指摘。「粉飾決算していた債務者企業もあったが、不正を見抜けなかったことも含め、ずさんな融資が大量に行われていた」。銀行のガバナンス(組織統治)のチェックも重視したといい、「銀行全体が債務超過に陥るほどの不良債権の山を築いたこと自体、ガバナンスの欠如の一つの表れだった」と述べた。
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