次世代型路面電車(LRT)を狙ったテロ行為や不審者などへの対応を強化しようと、運営会社「宇都宮ライトレール」と沿線を管轄する宇都宮東、真岡の両署は29日、宇都宮市下平出町の車両基地で「テロ等の未然防止に向けた覚書」を締結した。県警が民間会社とテロ対策関連の覚書を結ぶのは初めて。
全国で起きた鉄道車両内での事件例を共有し、相互の協力体制を強め犯罪抑止を図るのが狙い。全国初の全線新設で注目を集めるLRTがテロなどの標的になる可能性もあるとして覚書を結んだ。
LRTの車内で同社員が不審者や不審物を発見した際、県警にスムーズに相談、通報できるよう講習会や訓練を実施していく予定。
締結式には、同社の高井徹(たかいとおる)社長と宇都宮東署の篠原勝弘(しのはらかつひろ)署長、真岡署の生井弘道(なまいひろみち)署長が出席した。
高井社長は「地域社会の大きなインフラを預かっており、安全運行へ緊密な連携を取っていきたい」とあいさつ。篠原署長は「LRTで人の往来が増し、地域が活性化した。テロの標的になることが否めず、相互協力で対策を一層進めたい」と話した。