国学栃木-佐野日大準決勝 22年ぶりの決勝進出を果たし、GK菊田(右)のもとに駆け寄る国学栃木イレブン=県グリーンスタジアム

 第102回全国高校サッカー選手権大会栃木大会第6日は5日、県グリーンスタジアムで準決勝2試合が行われ、矢板中央が2年ぶり、国学院栃木が22年ぶりの決勝に進んだ。

 DF小塚優孝(こづかゆたか)のシュートがネットを揺らす。イレブンはGK菊田謙心(きくたけんしん)のもとに駆け寄り、歓喜した。佐野日大とのPK戦を制し、決勝進出を決めた国学院栃木。中田勇樹(なかだゆうき)監督は「よくやった」と短い言葉で選手をたたえた。

 前半から前線にパスを供給し続け、攻めの姿勢を貫いた。攻撃をさらに活性化させたのは0-1の後半12分から出場したMF関根輝大(せきねてるひろ)。ピッチに立ってわずか2分後。左サイドでパスを受けると、「相手の重心を見て逆を抜くことができた」と巧みなドリブルでゴール前へ切り込み、好機を演出した。同21分は関根を起点に細かいパスでつなぎ、FW辻惟杜(つじゆいと)が勝ち越し点を挙げた。

 延長の20分間でも決着がつかず、迎えたPK戦。ここでも勝利に懸ける思いは変わらなかった。仲間から「絶対に止められる」と背中を押された菊田は「最後まで我慢して見極められた」と1本目をブロック。結果的にこれが勝負を決めるセーブとなり、中田監督も「落ち着いていた」と評価した。

 22年ぶりに挑む決勝は過去12回の全国出場を誇る矢板中央と激突する。今夏の全国高校総体県予選準決勝では0-1で敗れている。それでも「今日のように攻めを貫けば勝てるはず」と自信を深める菊田。26年ぶり3度目となる頂への道筋は見えている。

 大会最終日は11日午後1時から、同会場で決勝が行われる。