新型コロナウイルス禍での人混みを避けたアウトドア人気の高まりに伴い、山岳遭難の発生件数は近年、栃木県内で増加傾向にある。過去5年の遭難者は、65歳以上の高齢者が約半数を占める。秋の紅葉シーズンで登山者の増加も想定され、県警は注意を呼びかけている。
県警地域課によると、県内の山岳遭難は新型コロナ禍前の18年が40件、44人だった。その後は件数が50件台、遭難者数は50~60人台で推移。コロナの感染拡大後はアウトドア志向の高まりなどで、22年の件数は35件増の86件、遭難者数は33人増の94人に上り、いずれも統計が残る1989年以降で最多だった。
死者は19年の13人が過去最多。今年は今回の朝日岳の遭難事故の4人を含め計9人となった。県警は「登山者は気象情報の把握に努め、体力に合った登山計画を立ててほしい」としている。