朝日岳遭難事故を受け、県山岳・スポーツクライミング連盟の増渕篤史(ますぶちあつし)遭難対策委員長は「山の天候は刻々と変わる。登山者は十分な装備のほか、山の専門天気図による事前の情報収集が必要」と改めて訴えている。

 朝日岳は山頂の眺望が人気とされ、登山道は険しいものの、日帰りで登山を楽しめる。朝日岳を含む那須の山岳エリアは強い風が吹きやすい特徴がある。

 今回の事故の捜索活動にも参加した増渕さんは強風、雨、低気温の悪条件が事故につながったとみる。ただ悪条件が重なるのは「この時季に珍しいことではない」と話す。

 宇都宮地方気象台の担当者によると、事故が起きた6日は冬型の気圧配置で強い寒気が今シーズン初めて降りてきていた。朝日岳山頂近くに当たる標高1800メートル付近は同日正午ごろ、気温が6度前後まで下がっていた可能性があるという。

 増渕さんは「季節の変わり目で平地との気温差に体が慣れず、低体温症を発症しやすい」と指摘。「朝日岳は強風による滑落、落石も起こり得る。登山者自ら安全性を高めないといけない」と注意を促している。