大谷石細工の体験・研修と見学ができるギャラリーのイメージ

大谷石文化を発信する拠点に改修される道の駅うつのみやろまんちっく村のローズハット=宇都宮市内

団体客の大谷石細工体験や昼食スペースに改修される温室の完成イメージ

団体客の体験や昼食スペースに改修されている温室

ドネーションカフェにする軽飲食コーナーの完成イメージ

温室2階の大谷石細工作品の展示室完成イメージ

今年2月に改修オープンした大谷石細工ギャラリー「無事カエル館」

岩本観音の保全に向け、協力金を呼び掛けるチラシ

大谷石細工の体験・研修と見学ができるギャラリーのイメージ 大谷石文化を発信する拠点に改修される道の駅うつのみやろまんちっく村のローズハット=宇都宮市内 団体客の大谷石細工体験や昼食スペースに改修される温室の完成イメージ 団体客の体験や昼食スペースに改修されている温室 ドネーションカフェにする軽飲食コーナーの完成イメージ 温室2階の大谷石細工作品の展示室完成イメージ 今年2月に改修オープンした大谷石細工ギャラリー「無事カエル館」 岩本観音の保全に向け、協力金を呼び掛けるチラシ

 道の駅うつのみやろまんちっく村を運営するファーマーズ・フォレスト(宇都宮市新里町、松本謙(まつもとゆずる)社長)は25日までに、道の駅敷地内の多目的ドーム「ローズハット」の改修に着手した。本年度の観光庁の補助事業に同社の計画「大谷石文化を発信するサステナブルな拠点づくり」が採択されたことを受け、大谷石細工の技術継承や体験・ツアーの提供、近くの「岩本観音」の保存活動に取り組む、持続可能な観光拠点として再整備する。2024年3月完成予定。

 同社によると、大谷石は日本遺産「大谷石文化」として脚光を浴びる一方、手彫りの技術、建物などが失われようとしているとして、持続可能な観光地づくりを進める。技術継承者の育成や周遊促進など地域の好循環を図る。同庁の訪日外国人旅行者周遊促進事業費補助金に採択された。

 計画は3本柱で、(1)大谷石細工の人材育成・技術継承の環境整備(2)大谷石細工の技術をテーマにした体験・ツアーの提供環境の整備(3)岩本観音など持続可能な観光整備の仕組みづくり-を掲げた。

 観光客を受け入れる基盤としてローズハットを改修する。熱帯植物を展示していた延べ床面積約3700平方メートルの施設で、旧熱帯温室の非公開区画を大谷石廃材を活用して改修する。

 約300平方メートルのスペースは、大谷石細工の体験、技術演習、制作風景や作品の見学ができる体験型ギャラリーにする。団体客向けの大谷石細工体験や昼食用のスペースも確保する。飲食提供スペースは、売り上げの一部を岩本観音の観光整備に寄付するドネーションカフェと位置付ける。

 敷地内にある宿泊施設を活用し、短期~中長期の滞在型の大谷石細工技術研修プランも企画する。鹿沼組子など県内伝統工芸と組み合わせた大谷石細工作りや、地元農産物の料理を大谷石の食器で味わうツアーなどの観光コンテンツも用意し、24年4月からの提供を目指す。

 同社企画・営業開発プロジェクト推進室の中山高行(なかやまたかゆき)課長代理は「大谷石細工の石工を育成する機関がなく、このままでは途絶えてしまう。大谷石文化を持続させるためのハブにしていきたい」と話している。