宇都宮市の未来の都市計画について講演する森本教授

 【宇都宮】市の未来の都市計画について学ぶ講演会が5日、宇都宮中央高で開かれ、市のまちづくりに長年携わってきた早稲田大理工学術院の森本章倫(もりもとあきのり)教授が次世代型路面電車(LRT)開業の目的などについて解説した。

 市や宇都宮商工会議所などでつくる宇都宮ブランディングアライアンスと同校が主催し、1年生約280人が聴講した。

 森本教授は、日本では人口減少に伴って都市の衰退などが始まっているが、市は「ネットワーク型コンパクトシティ」などの構想を打ち出し、街の中心部ほど魅力のあるまちづくりを進めていると説明した。その実現の手段としてLRTがあるとし、LRTを軸に郊外は将来的に自動運転バスなどで結び、自家用車に頼らない都市に変えていく計画を紹介。「今後、魅力的な都市ほど生き残る。LRTは未来への投資。全国の先頭を宇都宮は走っている」と強調した。

 会場で、鉄道ファンの男子生徒は「なぜLRTなのか」と質問。森本教授は建設コストが他の交通手段より安いことに加え、「JR宇都宮駅の西側に延伸すると1日4万~5万人が利用する可能性がある」としてバス輸送ではなく、LRTが選ばれたと回答した。