1階西側を飲食店に改修する予定のエコモデルハウス

 【矢板】矢板の道の駅やいたの環境啓発施設「エコモデルハウス」の在り方を巡り、市は31日までに、新たに福祉関連事業を展開する方針を固めた。障害者らの雇用の場となる飲食店がテナントとして入る方向で調整していく。市は「環境・福祉連携施設に位置付ける」とし、9月定例市議会に同ハウス設置・管理条例の一部改正案を提出する方針。

 同ハウスは環境省の環境共生型住宅モデル事業に選定され、全額国の補助で整備された。建設から10年以上が経過した2021年4月から、一定の役割を終えたと判断して休館し、在り方の見直しを進めてきた。

 市内には現在、障害者が働きながら技能を身に付ける「就労継続支援A型」の飲食店がない。そのため、同ハウスの新たな事業として、障害者らの就労促進になり、かつ道の駅全体の活用につながるとして、那須塩原市の同A型の飲食店「甘味(かんみ)処 和と輪」の姉妹店の出店を見込んだ。

 和と輪は、おしるこ、あんみつ、セットメニューなどを提供している。新たに出店する姉妹店は、木造2階建ての同ハウス(264平方メートル)1階の一部(101平方メートル)で甘味のほか、市産食材を使ったランチメニューやジェラートの販売を計画しているという。他の空間はまきストーブを新調するなどして、休館前に続きモデル住宅の展示を行う。

 市は9月議会に提出する関連条例の一部改正案案が可決されれば、和と輪の運営会社テトテ(さくら市)と契約を結ぶ方向だ。さらに新たな事業に関する環境省との協議が整い次第、改修工事を行い、本年度内の事業開始を目指す。