【小山】市は14日までに、渋井の旧文化の森跡地にサッカー場を新設することを決め、「市サッカー場整備基本計画案」を公表した。2028年度のオープンを予定する。整備予定地は30年近く未利用地の状態が続いていたが、ようやく利活用のめどが立つ格好となった。市内のサッカー場数は十分とはいえず、関係者からも新設の要望が強かったという。

 整備予定地は白鴎大野球場北側の約3万4300平方メートルで、現在は市土地開発公社が所有する。

 船田章(ふなだあきら)市長時代に美術館の建設構想があったが立ち消えとなった。南側は13年に市と同大が賃貸借契約を結ぶ野球場となったが、残りの土地は仮調整池の設置や県サッカー協会のフットボールセンター誘致が検討されたものの実現に至らなかった。

 JR小山駅から直線距離で約2キロとアクセスに優れていることに加え、用地取得が容易なことや、十分な駐車台数が確保できるなどの利点がある。

 市内サッカー関係者、愛好家からは継続して、サッカー場の充実を求める声が市に寄せられていた。市生涯スポーツ課は「市内には既存サッカー場が4カ所あるが、うち1カ所はほかの競技での使用が中心となっており、需要を満たし切れていないのが現状」と説明する。

 加えて既存施設のうち思川緑地と石ノ上河川広場のサッカー場は河川敷にあり、大雨で長期間使用できなくなることもあるという。

 計画案によると、新設のサッカー場は人工芝の一般用サッカーコート(105メートル×68メートル)1面と、天然芝の少年用サッカーコート(68メートル×50メートル)1面を配置する。観覧席は計180席で、発光ダイオード(LED)照明6基と209台分の駐車場を整備する。このほか会議室、医務室、更衣室、トイレなどを備える。

 本年度、民間活力導入可能性調査を行い、26年度から27年度にかけて整備工事を行う方針だ。全体工事費は約11億9100万円の見込みだが、国交付金の活用を想定しており、交付金を受けた場合の市の負担は約6億円となる。

 8月10日まで計画案のパブリックコメント(意見公募)を実施している。(問)同課0285・21・2695。