【日光】ふるさとの夜空を飾る「花火大会」を復活させようと、日光商工会議所青年部を中心に準備が進んでいる。今市地域で約70年、日光地域でも20年以上続いていた夏と秋の二つの花火大会が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2019年を最後に途絶えていた。「日光で暮らす子どもたちの郷土愛醸成に祭りは欠かせない」と市内の各団体で実行委員会を組織し、2大会を統合した「第1回日光大会」として8月19日に開くことを決めた。
第1回大会は、同日午後7時から約1時間、日光だいや川公園河川敷で5千発の花火が打ち上げられる。観覧場所は大谷川右岸の同公園のほか、左岸の公設市場跡にも設けられる。当日はシャトルバスも運行する予定だ。
市内では今市地域で8月、日光地域では10月にそれぞれ花火大会が開かれていた。コロナ禍でこの3年間はいずれも中止となり、市民からは寂しがる声もあったという。
同商議所青年部は50歳までの会員で組織され、子育て世代の会員も多い。青年部会長の伊澤義満(いざわよしみつ)さん(48)は「進学などで多くの子どもたちが市外に出て行く。いずれ地元に戻りたいと思ってもらうためにも、思い出をつくってあげたかった」と言う。花火大会の復活に向け、1月ごろから下準備を進め、5月末に商工や観光、自治会など各団体でつくる実行委員会を立ち上げた。
「将来を担う若い世代が中心になって動いている。とても意義深い」と同商議所の相良芳隆(さがらよしたか)会頭。現在は200社を目標にした企業サポーターのほか、市民サポーターも募っているといい、伊澤さんは「行政の補助金頼みではなく、市民の手で続けていける花火大会にしたい」と話している。