境内で歌う藤田さん

 【大田原】臨済宗妙心寺派の名刹(めいさつ)・雲巌寺で3日、クラシックコンサート「陶酔の響(きょう)」が開かれた。声楽家やピアニストらが優美な音色を境内に響かせ、約500人の聴衆を魅了した。

 コンサートは同寺院の原宗明(はらそうみょう)老師(79)の喜寿の祝いをきっかけに始まり、今年で2回目。

 出演したのは、市出身で東京二期会会員のソプラノ歌手藤田和恵(ふじたかずえ)さんら演奏家6人のほか、地元のコーラスグループ「アンサンブルミルテ・やまゆりコーラス」、須賀川小の全校児童。

 出演者を交代し午前、午後の部を行い、「星に願いを」「赤いスイートピー」など約30曲を奏でた。原老師が境内に咲くコスモスをモチーフに作詞した「風にコスモス」を藤田さんが披露すると、聴衆は透き通るような歌声に聴き入り、歌い終わると、ひときわ大きな拍手が会場に沸き起こった。

 富池、主婦阿久津洋子(あくつようこ)さん(75)は「温かみのある演奏で元気が出た」と話した。藤田さんは「緑に囲まれた環境で、仲間やお客さんと一緒に歌えてよかった」と笑顔で話した。