足利銀行本店

 めぶきフィナンシャルグループ(FG)は6日、足利銀行(清水和幸(しみずかずゆき)頭取)と常陽銀行(秋野哲也(あきのてつや)頭取)が7月から賃上げを実施すると発表した。基本給を底上げするベースアップ(ベア)や定期昇給を含めて平均約5%賃上げする。2024年度から行員の初任給も2万3千~2万5千円引き上げる。

 足銀のベア実施は15年以来8年ぶり、初任給の引き上げは09年以来15年ぶりとなる。物価高騰への対応や優秀な人材確保につなげる狙い。

 足銀のベアの対象者は行員約3千人、パート約1100人の計約4100人。

 初任給は来年度の入行者のうち、転居を伴う異動がある大卒の総合職は2万5千円増の23万円に引き上げる。転居を伴わない大卒と、短大・高卒の総合職はそれぞれ2万3千円引き上げ、大卒は21万8千円、短大・高卒は20万3千円とする。

 足銀は20年4月、働きやすい職場環境を目指し、5カ年の行動計画を策定した。キャリア形成の支援や育児休暇の取得促進、副業解禁などを進めており、人事部の担当者は「(ベアや初任給の引き上げは)従業員が生き生きと働くための施策の一つ。今後も従業員のやりがい創出に取り組んでいく」と話した。

 常陽銀行は、7月から行員のベアを実施する。パートの賃金見直しについては10月を予定している。