芭蕉像のかさを交換する佐藤市長(右)と樽見会長

 【鹿沼】鹿沼地区木材需要拡大協議会は21日、俳人松尾芭蕉(まつおばしょう)の「笠(かさ)塚伝説」にちなんだイベント「芭蕉の笠替え」を市内で開き、参加した市内外の約50人が芭蕉に思いをはせた。

 芭蕉は「奥の細道」の道中、西鹿沼町の光太寺で笠とわらじを交換したとされ、寺は芭蕉の死後、古いかさを土に埋めて供養したとされている。同協議会が地域のPRや木材利用推進を目的に開いている。

 「まちの駅 新鹿沼宿」の芝生広場で行われたセレモニーでは、佐藤信(さとうしん)市長と同協議会の樽見正衛(たるみまさえ)会長(77)が、敷地内にあるチェーンソーで彫られた木製の芭蕉像の笠を新しいものに交換。その後、参加者は光太寺まで歩いて古い笠を納め、境内の笠塚を見学した。

 NPO法人芭蕉翁おくのほそ道ネットワーク(東京都足立区)の櫟原文夫(いちはらふみお)理事長(71)は芭蕉の装いで参加。「芭蕉の来訪から334年がたってもこの行事が行われ、芭蕉も驚いているだろう。末永く続いてほしい」と話した。