ショールームに設置された血管撮影装置「アルフェニックス」

 キヤノン(東京都大田区、御手洗冨士夫(みたらいふじお)社長)と子会社で医療機器製造のキヤノンメディカルシステムズ(大田原市下石上、瀧口登志夫(たきぐちとしお)社長)は16日、大田原市の同社で報道陣向けの見学会を開き、敷地内に整備した二つの新施設アンギオグラフィ(血管撮影装置)・ショールームと製品安全試験センターを公開した。

 ショールームは、カスタマーサポート&トレーニングセンター内に8日オープンした。延べ床面積は約170平方メートル。同社の血管撮影装置「Alphenix(アルフェニックス)」を展示する。製品のショールーム開設は初めて。病院などの関係者が製品の説明を受けたり、性能などを実際に確かめたりできる。

 同社は高齢化に伴うカテーテル治療の需要の高まりで、血管撮影装置の市場の成長を見込む。2025年までに世界シェア11%を目指しており、ショールームを通じて製品の拡販を図る。

 製品安全試験センターは、これまで外部委託していた製品の安全規格の試験を、社内で実施するために開設した。生産効率の向上を目指す。鉄骨造り2階建て、延べ床面積1830平方メートル。製品から出るノイズの大きさが規格値に収まることなどを測定する電波暗室と、さまざまな温度や湿度での安全性を試験する大型・中型の恒温槽を備える。6月に使用を開始する。