セブンハンドレッドが生産しているイチゴ「とちあいか」=さくら市

セブンハンドレッドが指定管理者となった「菜っ葉館」=さくら市

セブンハンドレッドが生産しているイチゴ「とちあいか」=さくら市 セブンハンドレッドが指定管理者となった「菜っ葉館」=さくら市

 ゴルフ場「セブンハンドレッドクラブ」を運営するセブンハンドレッド(さくら市早乙女)の小林忠広(こばやしただひろ)社長が、グループ会社を新たに設立し、農業に本格参入する。今月中に農地所有適格法人「セブンハンドレッドファーム」の設立を申請する予定で、まずはセブンハンドレッド社が昨年始めたイチゴの生産を拡大する。同社は本年度から、さくら市氏家地区農産物直売所「菜っ葉館」の運営にも乗り出しており、グループの温泉宿泊施設とも連携し、農業や観光の活性化を目指す。

 新型コロナウイルス禍でゴルフ客が激減し、誘客事業の難しさを痛感したという小林社長は、「売り物があるビジネスが必要」として農業参入を決めた。現在、県観光物産協会のとちぎ観光地づくり委員として観光振興にも当たっていることから、首都圏市場を中心に圧倒的な存在感を示すイチゴの生産を通じて、本県観光も後押しする考え。

 農業への本格参入に先立ち、セブンハンドレッド社は昨年5月、イチゴ栽培をスタート。同市喜連川の借地約30アール、ビニールハウス12棟で本県オリジナル「とちあいか」を生産し、流通大手に直接出荷している。

 法人設立後は、同法人に生産を移管し、年内に24棟へ倍増させる計画で、JA系統や都内の市場への出荷を目指している。イチゴの他に、コメの生産にも乗り出す計画という。

 同法人や、今月から指定管理者となった菜っ葉館で取り扱う農産物については、グループ会社で不動産管理の住地(東京都目黒区、小林社長)が運営する同市喜連川の温泉宿泊施設「お丸山ホテル」や、ゴルフ場で食材としても活用していく。さらにイチゴ狩りや田植え、稲刈りなどの農業体験、アグリツーリズムを組み合わせた商品提供を視野に入れており、地元生産者と連携して生産振興を図り、グループ全体で地域活性化を進めていく方針だ。