【芳賀】人口減少やスマートフォンの普及などで各地の書店の数が減る中、町唯一の書店である祖母井(うばがい)南1丁目の「BOOK FOREST 森百貨店」は1世紀近くにわたって営業を続ける。2021年には店の巨大な本棚「ブックツリー」が町の観光ガイド冊子の表紙を飾るなど、町のシンボルの一つにもなった。「絵本のセレクトショップ」として約3500冊の絵本を取りそろえるなど、独自の店舗運営で生き残りを図っている。
店は店長森敦(もりあつし)さん(47)の曽祖父が1926年に創業した。現在は森さんと、妻でマネジャーの多佳子(たかこ)さん(44)らで営んでいる。
絵本を中心に扱うようになったのは、周辺の区画整理事業に伴って店をリニューアルオープンした2012年。多佳子さんは「本を読む子どもを育てなければいけない。絵本を通じてその窓口になりたいと思った」と説明する。
ブックツリーは、店のリニューアルに併せて設置した。高さは約6・2メートル。大木の切り株をイメージした形で、中央に空洞のある変則的な形になっている。来店した子どものことを考え、空洞には子どもが入れる秘密基地のようなスペースもある。
2階はイベントスペースとなっており、新型コロナウイルス禍前は絵本作家を招いてのワークショップや作品展などを開いた。多数の親子連れが参加しての版画作りをするなど、誘客に結びつけた。
店内には、大型書店でよく見かける平積みはほとんどない。書籍の種類を数多く取りそろえるためだ。「ぐりとぐら」などの名作から、最近人気が高まっている「パンどろぼう」まで多様な作品がそろう。自分たちの好みも反映している。
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