栃木県は5日、新たに計3335人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。昨年12月24日~今月4日に50代~80歳以上の男女計33人が死亡した。新規感染者は8月4日(3371人)に次いで2番目の多さとなった。福田富一(ふくだとみかず)知事は5日の新春記者会見で「年末年始分の報告も含むので件数が多いのはやむを得ないが、非常に厳しい感染状況にある」と述べ、特に救急・入院医療提供体制の逼迫(ひっぱく)に危機感を示した。
病床使用率は4日時点で71・7%。12月29日に初めて7割を超え、3日には72・2%と過去最高を更新した。感染などで欠勤する医療従事者数も週を追うごとに最多を更新しており、直近では計401人(12月26日時点)に達した。
「入院患者の受け入れは極めて難しくなっている」(福田知事)といい、昨年末に開設した県央地区の臨時医療施設(41床)には、受け入れ先がない患者が各地から搬送される事態となっている。
一方、年末年始に懸念された発熱外来の逼迫は確認されなかったという。福田知事は「人の行動が活発な年末年始だった。仕事や学校が始まり、感染状況がさらに厳しくなる可能性もある」と述べ、感染対策の徹底を呼びかけた。
県内の累計感染者数は36万4413人。新規感染者は0歳~90代以上。40代以下が全体の約7割を占め、最多の20代が645人、30代が589人、40代が525人、50代が369人などと続く。
死者33人のうち、24人は入院中、7人は施設療養中だった。救急搬送後の死亡と、死亡後の陽性確認が各1人。年代別では50代と60代が各1人、70代5人、80歳以上26人。死亡日別では1日が8人で最も多く、2~4日は各5人だった。県内の死者は計824人となった。
クラスター(感染者集団)は計9件発生。高齢者施設が6件を占め、佐野市で15人、大田原市で9人、野木町で8人、栃木市で5人、小山市の2施設でいずれも5人が感染した。医療機関では佐野市で21人、足利市で25人が感染。小山市の障害者施設では8人が感染した。
5日時点の入院者(予定含む)546人、宿泊療養者96人、重症者11人。