東武宇都宮百貨店(宇都宮市)は1日、東武宇都宮百貨店大田原店の営業を2026年8月31日をもって終了すると発表した。大田原店は、上野百貨店跡地に02年9月にオープンし、“県北唯一のデパート”として親しまれてきた。23年にわたる変遷を下野新聞記事で振り返る。
(以下、見出しの後の日付は紙面掲載日。市町村名など、記事の表現は原則として当時のまま)
■東武、大田原出店を検討 上野百貨店の跡地利用(2001年10月1日)
東武宇都宮百貨店(宇都宮市宮園町、日沖章雄社長)が、昨年暮れに倒産した上野百貨店大田原店跡(大田原市美原一丁目)への出店を検討していることが三十日、明らかになった。実現すると東武宇都宮百貨店として二店舗目、県北地区唯一の百貨店。地元商業振興の面からも注目された跡地の行方に光明が差してきた。出店に当たって、売り上げ規模や出店費用見込みの見極めなどの課題を抱えており、東武宇都宮百貨店の役員は「現在(出店について)調査、検討中。いくつかの条件をクリアしなければならない」としている。
上野百貨店の大田原店跡の建物(地上三階地下一階、売り場面積約一万二千平方メートル)は、足利銀行が抵当権を設定。関係者によると、足銀の関係会社が建物を購入、東武宇都宮百貨店に賃貸する方向で調整が進んでいる。この方式は、上野百貨店旧大田原店の処分を急ぐ足銀と、初期投資を抑えた出店を目指す東武宇都宮百貨店の思惑が一致したもの、とみられる。
旧大田原店は年を越すと、年間の固定資産税が約四千万円掛かることから、上野百貨店の破産管財人である増渕博史弁護士は「年内に売却できなければ、管理処分権を放棄する」との考えを示している。東武宇都宮百貨店と足銀の交渉は年内に決着する公算が大きく、出店が決まった場合、来年中のオープンが現実味を帯びてきそうだ。
上野百貨店は一九九九年四月、大田原に出店、投資約五十億円のほぼ全額を足銀が融資した。年間売り上げ七十億円を目指したが実際の売り上げは四十五億円程度にとどまり、経営を圧迫、出店から二年足らずで破産した。
残り:約 4447文字/全文:5371文字
下野新聞デジタルに会員登録すると…
- 事件事故や高校野球・イベントなど速報でとちぎの「今」が分かる
さらにスタンダードプランなら…
- デジタル有料記事の大半が読める
- 教育や仕事に役立つ情報が充実
愛読者・フルプランなら…
- アプリも使えて、おくやみ情報もいち早く
ポストする




