足利市は昨年度から始めた、親の就労状況に関係なく子どもを保育所などの施設に預けられる「こども誰でも通園制度」の試行的事業について、本年度は実施施設を六つ増やして8施設に拡大し、14日から受け入れを開始すると発表した。現在は利用者の登録を受け付けている。

 在宅で子育てを行う家庭と施設がつながることで、保護者の育児負担軽減を図るなど、子どものより良い成育環境の整備を目的とする同制度。2026年度から全国の自治体で本格的に実施する予定で、現在は全国で110以上の自治体が試行している。

 市では昨年度、公立の保育所2カ所が預かりを実施。4~12月の期間に約170件の利用者登録があり、延べ約570人の利用があったという。本年度はより多くの市民に利用してもらうため、実施施設を民間の保育園と認定こども園にも拡大。実施を希望する6施設が新たに加わり、計8施設で受け入れを実施する。

 対象は市内に住所があり、保育所や幼稚園などの施設に通っていない生後6カ月~満3歳未満の乳幼児。月10時間を上限とし、1時間単位で施設を利用できる。利用可能日時や料金は施設ごとに異なる。実施施設の情報は市のホームページから確認できる。本年度からはスマートフォンの操作で利用予約やキャンセルができるようになった。

 市保育課の担当者は「民間事業者の協力も得ながら、保護者と子どもたちの支援に努めていきたい」と話した。(問)同課0284・20・2138。