【宇都宮】「思いやり110番」を実践し交通事故を未然に防いだとして、宇都宮東署はこのほど、作新学院高1年矢部奏心(やべかなみ)さん(15)に感謝状を贈った。
矢部さんは5月18日午後5時半ごろ、岩曽町の県道を自転車で通行中、歩道に座る80代女性を発見した。女性の服はぬれており「大丈夫ですか」と声をかけると「家に帰れなくなった」と言われたため、心配して110番した。女性は朝に市内の自宅を出てから戻れなくなっていたという。
署員が駆けつけるまでの約30分間、地域の合唱団に所属する矢部さんは童謡の話をしながら女性に寄り添った。幼少期から鍼灸(しんきゅう)師の父の訪問治療に同行し、高齢者と話すことに慣れていたため、声をかけるのにためらいはなかったという。
署で星野健一(ほしのけんいち)署長から感謝状を受け取り、「とっさに行動できた。今まで数え切れないほど多くの方に支えられてきたので、今後も感謝を忘れず多くの人を助けたい」と話した。