【佐野】本町の東石美術館で、企画展「芸術家の目を通した 生きものたち」が開かれている。鳥や虫など、生き生きとした生き物たちをモチーフにした作品計49点が並ぶ。8月19日まで。
同展のコンセプトは「命の輝き」。同館では生き物や風景を題材とした作品を多く収蔵しているという。新緑があふれるこの時季、芸術家たちの「目」を通じて自然を感じてもらおうと企画した。
注目は、木彫家神保雅(じんぼみやび)さんが1本の木から作り出したチョウやカワセミなどの作品6点。夏の人気者、カブトムシやクワガタは角など細部まで丁寧に再現され、今にも動き出しそうなほどリアルで躍動感あふれる作品となっている。
夜をイメージした展示室「宵闇(よひやみ)」には、岡田昌壽(おかだまさひさ)さんの絵画「風蝶草」を展示。夜空をチョウが舞う幻想的な風景を描いている。岡田さんは猫も多く描いており、柔らかいタッチで描写された猫たちは多くの愛猫家を魅了している。
9~18世紀までに作られたペルシャ陶器も並ぶ。ウサギが大きく描かれた「三彩兎文鉢(さんさいうさぎもんばち)」や、鮮やかなペルシアンブルーが目を引く「青釉鳳凰像(せいゆうほうおうぞう)」も見どころの一つ。
同館の岩船哲也(いわふねてつや)主任学芸員は「芸術家たちが工夫を凝らした作品をじっくり観賞しながら、それぞれ思い思いの捉え方で楽しんでほしい」と来場を呼びかけている。
午前10時~午後5時。水、木曜休館。入館料は大人千円、高校・大学生800円、小・中学生500円。(問)0283・23・8111。