東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故から11日で14年。節目の日を前に、下野新聞社取材班は1月上旬、廃炉作業が続く福島第1原発を視察した。水素爆発が起こったまま鉄骨むき出しの1号機。膨大に立ち並ぶ処理水のタンク。事故の跡が色濃く残る中、廃炉への最難関とされる溶融核燃料(デブリ)の試験的取り出しが昨年9月、2号機で初めて行われ、取材班は同じ構造をした5号機内部に初めて入った。政府と東電が掲げる廃炉の目標時期は「2041~51年」。廃炉作業の現在地を見つめた様子を伝える。

1月10日午前9時。東電の「廃炉資料館」(福島県富岡町)に集合した取材班は専用のバスに乗り込み、福島第1原発へ出発した。ほどなくして帰宅困難区域に入る。廃虚となったパチンコ店や、農地に積まれた除染廃棄物が入った黒い袋が目立つ。出発から20分弱で検問所に到着。ここから先は原発の管理区域となり、許可された車両だけが通行できる。
敷地内で降車し、早速管理棟で入構手続きに入った。記者が1人1人呼ばれ、丁寧に本人確認される。その一環で、専用機器に手を入れて右手中指の静脈を登録し、金属探知機もくぐった。
構内に持ち込めるのは事前に申請したカメラやICレコーダー、ほかは筆記用具や財布など必要最低限のものだけだ。スマートフォンやパソコンなどの通信機器は持ち込むことができない。
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